関東経産局
【さいたま】関東経済産業局は8日、中小企業新事業活動促進法に基づく「新連携で」で5事業プランを認定した。これで同局管内の認定案件は15件となる。 スターウェイ(東京都港区)をコア企業とするグループは、リサイクル可能な梱包資材による物流管理統合システム・サービスの事業化を目指す。UFJ銀行などが支援する。宮本工業(東京都千代田区)をコア企業とするグループは、高機能アルミ素材を用いた手法による鍛造部品を開発・販売する。東京三菱銀行などが支援する。他3件のコア企業と事業テーマは次の通り。 ●シーウェル(東京都中央区)=固液2相循環法を利用した生ゴミ処理プラント販売 ●プラトー(長野県諏訪市)=デジタルカメラおよびカメラ付き携帯電話の光学ズーム駆動用ギヤードモーターの開発と量産化 ●アルプスエンジニアリング(静岡県浜松市)=レーザーを用いた無欠点ガラスカット装置の開発と事業化
主力製品であるPOSターミナルとMFPで省資源を実現
リユース、リサクル可能な新包装資材の採用とその回収によって、お客様での包装廃棄物をゼロにするPOSターミナルの出荷形態を改善。 消せるトナーに対応したMFPで、紙の使用量削減に貢献。 ■業界初、POSの出荷形態を改善し、お客様での包装廃棄物をゼロにするグリーンカスタマーサービス開始 2004年8月より、地球環境に配慮し、お客様の手間を省く商品出荷形態を採用した流通情報システム機器の新サービス「グリーンカスタマーサービス」を導入しました。 このサービスは、リユース(再使用)およびリサイクル(再資源化)可能な新包装資材の採用により、従来の製品納入時に、お客様で発生していた包装材の廃棄物をゼロにしたものです。このサービスによってお客様は使用済み包装材を処分する必要がなくなり、これまでかかっていた手間と費用を省くことができます。 <グリーンカスタマーサービス導入の背景> 東芝テックの主力商品であるPOSターミナルをチャーター便(専用車両)で納品する場合は、すでに包装レスを実施しておりますが、チャーター便に比較し荷扱い作業の多い路線便では製品を守るために厳重な包装で出荷してきました。 この包装に仕様されるダンボール・緩衝材などは一度使用されると廃棄物になってしまいます。そこで地球環境保全と廃棄物処分の手間と費用の軽減という観点から、2004年8月からスターウェイ株式会社・西武運輸株式会社・東芝テックの3社共同で「グリーンカスタマーサービス」の構築を推進してきました。 <グリーンカスタマーサービスの特徴> 1.イースターパックの採用 「グリーンカスタマーサービス」の中核となる包装材には「イースターパック」を採用しています。この包装材は古紙を圧縮・特殊加工した素材(パスコ)から成る折畳み可能な外箱と、特殊フィルムによる緩衝機能を持つ上下のフレームからなる新包装パッケージで、以下の特徴があります。 @廃棄物の発生しない商品輸送サービスの実現 Aリユース前提に設計されており、100回以上の繰り返し使用が可能。 B上下のフレームで製品を中空に固定するシンプルな梱包方式のため、梱包作業に要する時間も従来の4分の1に短縮 2.イースターパックの回収 「グリーンカスタマーサービス」では、「イースターパック」を用いて商品をお客様に納入し、即日、空箱の回収を行い、お客様が包装材を処理する手間を省くと同時に、廃棄物の発生を防ぐことができます。また、イースターパックは右図の通り折りたたむ構造になっており、回収時においても輸送効率の向上を図っています。 今後、百貨店、ショッピングセンター、スーパー、コンビニエンスストア向けPOSターミナルにも、このサービスを導入することで、包装材の廃棄物を年間約168トン削減できる見込みです。
梱包材のリサイクルシステムなど提供 共信テクノソニック
共信テクノソニックは、今月から電子部品商社として初めて、梱包材のリサイクルシステムの提供などを行う「環境ソリューション事業」に参入する。同事業として、初年度5億円を計画。 中期的には、エレクトロニクスメーカー以外へも展開し、100億円程度の売上げを見込む。 同社は、1月に環境ベンチャー企業のスターウェイ(東京都港区、竹本直文社長)の全事業を取り扱うための業務提携をすでに結んでいた。 スターウェイは、100回以上の繰り返し使用ができ、リサイクルも可能な環境対応梱包箱「イースターパック」を用いたシステムをはじめ、環境対応型物流システムなど、各種環境ソリューションビジネスを展開している。 共信テクノソニックでは、業務提携に基づき、環境対応型梱包材システムから取扱いを開始。その後、顧客やベンダーとの協業による環境対応型商品の開発や、環境コンサルティング業務を実施し、環境ソリューション事業を同社事業の大きな柱とする方針。
共信テクノソニックはスターウェイ(東京都港区)と、スターウェイが保有する環境対応型梱包箱を用いた環境ソリューション事業の展開で業務提携を結び、今月から事業を始めた。 スターウェイは100%古紙を再生圧縮した板紙を使用して発泡剤などの緩衝材を用いることなく特殊なウレタンフィルムを採用し、中空で支える構造で繰り返し使用可能な梱包箱のイースターパックを開発。使用不能となったイースターパックは回収・リサイクル出来る。 また、このパックと運送、梱包、資材管理、環境データなどを総合的に提供する物流システムの環境デリバリーパックやインターネットで資材の注文入力、リユース資材の状況やリサイクル情報などが確認できるESP-take1システムを含む資材のリユース、リサイクルといった環境改善手法を保有する。共信テクノは梱包材やシステムの提供を受け、電気・電子メーカーなどへ環境ソリューションを提案し、事業展開していく。初年度は環境事業で5億円の売り上げを目指す。
<環境対策とコスト削減の実現>
事業アイディアは、創業者である私が使い捨ての半導体トレイを顧客のセット工場で見た時にはじまった。起業前は、半導体メーカーのマーケティングセールスとして、担当顧客のソニーへ家庭用TVゲーム機のCPUを大量に納品していた。 ゲーム機の組み立て工程ではLSIの納入に使われたプラスチック製のトレイが廃棄処分を前にして山積みされていた。これを見て“もったいない”と感じ、このトレイをセット工場から回収して検査し、品質の確認されたトレイを再度半導体メーカーに使ってもらえるのではないかと考えた。半導体メーカーは新品のトレイを購入するよりリユーストレイを利用することによりコスト削減になる。セット工場側では廃棄処分も不要になり、環境対策とトレイ処分費用の削減ができる。 こうして、半導体トレイのリユース、リサイクルのビジネスから、物流における資源活用のビジネスモデルを構築・運営するために1999年12月24日に当社を設立した。CSR(企業の社会的責任)と地球環境保全への取り組みは産業界にとっても大きなテーマになっている。企業の環境への取り組みはISO14001の認定を中心にさまざまな努力がなされている。 しかし、現実的には環境と経済効果の両立は困難であり環境ISOも形式的なものという声も聞える。そんな中で当社は環境対策が経済コストの削減につながるような環境ソリューションをビジネスモデル化した。 <環境デリバリーパック事業 環境対応型物流構築の実現> 環境デリバリーパック(商標登録)とは環境対応型梱包箱イースターパックと運送・梱包/開梱作業、資材管理・環境データ等をすべてシステムにした環境対応型の物流サービスである。パートナーの物流会社(日立物流・福山通運)の物流インフラを使い、B
to B(企業間取引)、B to
C(企業と一般消費者の取引)で環境対応型物流を実現した。 採用企業実績として、エプソンサービス社では2003年2月から全国の修理サービス拠点で導入し資材コストを55%削減、資材量は三分一に削減できた〔2003年同社サステナビリティレポート掲載〕。2003年3月より導入したソニーイーエムシーエス社はCO2排出量74%削減、作業・資材コストを74%削減する実績をだすことができた〔2003年同社社会・環境報告書掲載〕。東芝テック社は2004年9月から導入し、期待される効果は梱包材のコストを43%削減できると評価している。
何回も使えるこん包箱「イースターパック」で環境に優しく低コストの物流を提供。「物を使わせない仕組み作り」に取り組む。 素材は古紙を圧縮・再生しプラスチック並みの強度、耐水性を持つ板紙。箱の中は弾性のあるフィルムでパソコンやプリンターなどをピッタリはさみ、中空に浮かせて運ぶ。発泡スチロールなど緩衝材ゼロ、こん包時間大幅短縮、箱は折り畳んで持ち帰り100回以上利用可能。 こん包、輸送、管理のシステムを丸ごと売る。エプソンなどユーザは資材コスト半減などの成果を上げているという。パソコンなどの修理効率化のため、ネット受付センターを設け、回収−修理−配送の一貫システム作りを進める。
発泡スチロールの競合材となるか?
ベンチャー企業のスターウェイは緩衝材の必要がない梱包材「イースターパック」を開発し、話題となっている。箱部分は古紙を圧縮・再生した板紙から形成。内部にセットした特殊ウレタンフィルムで運搬物を挟み、落下時などの衝撃に耐える構造としている。最も大きな特徴は、レンタル式なので段ボールや発泡スチロールなどのゴミを発生しないこと。提携運送会社の発送インフラを利用し、レンタルされている箱の数量をウェブ上で管理しているため、必要最小限の箱数でまかなうことができる。 これら一連のシステムを同社では「環境デリバリーパック」と名付け、ソリューション提案を行っている。これまでセイコーエプソンや家電量販店の修理部門などに導入済みで、いずれの企業でもコスト削減、作業の時間の大幅短縮など、業務の効率化を実現。 同社竹本社長は「発泡スチロールは運搬にコストがかかるので、回収して繰り返し使うというシステムには不向き。だが、断熱性や水に強いという、他の材質にはない利点も多い。その意味で、当社の製品の競合になるとは考えていない。お互いの長所を生かして棲み分けができればよいのでは」と語っている。
横浜でビジネスオーディション
ユニークで斬新なビジネスプランを披露して投資家とのマッチングを目指す「かながわビジネスオーディション2004」が19日、横浜市中区尾上町の神奈川中小企業センターで開かれ、約320人が参加した。実行委員会と県の主催、神奈川新聞社後援。今年で9回目。 全国各地から125件の応募があり、最終審査を通過した「情報・通信」「環境・防災」「福祉・医療」「ニュービジネス」「新製品」の5分野のビジネスプラン計39件が発表された。 入賞した主なプランは次の通り。 【優秀賞】「環境対応型梱包(こんぽう)箱の開発および環境対応型物流システムの構築・運営」(スターウェイ、竹本直文社長) 【奨励賞】「コンクリート床スクラブ沈下修正工法『アップコン』の開発・施工・展開」(アップコン、松藤展和社長)▽「ハードディスクデータ完全保存・復旧ツールFlashBack」(ネットコム、張書明社長)
パソコンやプリンターなどの電子機器、あるいは基板など精密機器を納入したり、修理に出す際、発泡スチロールなど緩衝材や段ボール箱といった梱包資材が大量に使用される。製品が破損しないようにするためには仕方がないが、発送する側にとってはコストと手間がかかるし、受け取った側もごみとなり迷惑このうえない。 スターウェイは、こうした電子機器、精密機器を輸送する際に必要な緩衝性に優れ、しかも通い箱形式で何十回も繰り返し使える新しいタイプの梱包資材「e-Starpack」を開発するとともに、梱包材リユース(再使用)・リサイクル(再生)型の物流システム管理業務も一括して引き受けるサード・パーティ・ロジスティクスサービスを展開している。大手電子機メーカーや家電量販店などで採用され、流通業界に大きなインパクトを与えている。
■北越製紙と新タイプの梱包資材を開発 「輸送包装に求められる環境対応は、3R(リデュース、リユース、リサイクル)から4番目のR、リフューズ(使用済み梱包材の受け入れ拒否)の段階にきていると思います」とスターウェイ社長の竹本直文氏は説明する。 竹本氏は10年以上にわたって外資系の半導体メーカーに勤務し、半導体のセールスに携わってきた。その際、半導体を工場などへ運ぶICトレイが使い捨てにされていることから、物流資材のリユースの必要性を痛感、スターウェイ設立のきっかけとなった。 同社が開発した「e-Starpack」は、見た目は普通の段ボール箱だが、北越製紙が開発・生産している100%古紙圧縮の積層構造板紙「パスコ」を使って作られている。この板紙は椅子や災害現場で人を運ぶレスキューボードなどにも使われるほど高い強度を持つ。そのため「e-Starpack」は100回以上の使用に耐えられる。 そして箱の内部には、板紙型枠の内側に収縮率が700%もある特殊なウレタンフィルムを張ったものが2枚入っている。これで電子機器や精密部品を上下からサンドイッチ状に挟みこむと、さながら宙に浮いた状態となり、緩衝材を使用することなく衝撃や振動の影響を防ぐことができるという。フィルムには静電対策が施されいるほか、穴があいても裂けない。 使用不可になった「e-Starpack」は回収して北越製紙でリサイクルされ、再度「e-Starpack」として復活する仕組みだ(フィルム部分は焼却処理)。 導入コストは段ボールよりも高いが、通い箱として100回もリユースすれば、1回あたりのコストは従来の半分以下になるという。また、梱包作業も緩衝材のセットなどが省略できるため、作業時間、作業人員を大幅に削減できる。 さらに注目したいのが、通い箱として配送先で製品を取り出し、たたんで回収してくるため、エンドユーザーの手元に梱包材が残らないことだ。カスタマーサービスの強化と同時に、環境配慮を直接エンドユーザーにアピールすることができる。 一方、「e-Starpack」と並行して開発したのが物流管理システムソフト「ESP-take1」。従来のような原料調達から販売までを管理する物流システムとは異なり、製品の出荷、回収、再利用、再資源化までをインターネットを通じて一元管理する。 同社の主力事業はこの物流管理システムと「e-Starpack」を組み合わせた物流商品の提供だ。梱包資材を販売するのではなく、梱包資材は同社が所有し、梱包資材の補充からリユース・リサイクル、製品出荷、運送など物流管理を行う。実際の物流までを一括受注し、実際の配送・配送先での開梱・回収は提携企業である物流企業(西武運輸、近鉄エクスプレス、日立物流、ジャパンブリッジ)などにアウトソーシングする。いわば、グリーン・サード・パーティーロジスティクスサービスである。 ■“ウィン・ウィン”のビジネスモデル 同社のサービスを採用した第1号はセイコーエプソンの関係会社であるエプソンサービスだ。エプソン製品のプリンタなどを修理・メンテナンスする会社で、全国5ヶ所に修理センターを設置しているほか、東京と大阪のサービススポットで一般顧客の持ち込み修理に対応している。 同社では従来、ユーザー側からサービススポットや量販店などに持ち込み、そこから修理センターに横もちするという体制をとっていた。その9割以上が修理に出す際、商品購入時の箱を使用せず、また各修理センターでもユーザー側が利用した段ボールは廃棄処分し、あらためて梱包し直すという二重の手間とコストがかかるワンウェイシステムだった。荷受と納入で月平均に計6万箱が行き交うというから大変なコストと手間になる。 これを「e-Starpack」利用の物流システムに切り替え、横もち輸送およびユーザーへの納入を通い箱体制にしたところ、梱包資材コストで従来の55%減、梱包資材を3分の1に圧縮できた。また緩衝材のはめ込み作業が省けたことで梱包時間が従来の5分の1〜10分の1に短縮できたほか、梱包資材を置いていたスペースも縮小できたという。 さらにこれまで、エプソンサービスに寄せられるエンドユーザーの声はクレーム調のものが多かった。修理を依頼するユーザーだからそれは当然のことなのだが、「e-Starpack」の採用によって環境配慮への賛同の声も同時に寄せられるようになった。 ネームバリューも実績もない同社がエプソンサービスで実績をつくったことで、その後、ソニーイーエムシーエスなど着実に受注を獲得できた。 またメーカー系以外では、家電量販店大手のノジマが03年秋から全店の修理品梱包物流に採用した。これまでは、@顧客が修理品を自ら梱包し、直接店舗に持ち込む→A店舗からメーカーに修理品を送付→B修理完了を受け、店舗から顧客にその旨を連絡→C顧客が修理済み品を店舗に受け取りに行く−だったものを、@顧客は梱包せずに裸で持ち込み→A店舗は受け取った修理品を「e-Starpack」に梱包しメーカーに送付→Bメーカーは修理完了後、荷受時に使われた「e-Starpack」に修理済み品を再び梱包し、顧客へ送付→C専門の配送請負ドライバーが顧客に修理済み品を届け「e-Starpack」を開梱、空き箱を持ち帰る−ものとした。 梱包資材の削減や顧客側での梱包や梱包材廃棄の手間が省けたことはもとより、「顧客→店舗→メーカー→店舗→顧客」から「顧客→店舗→メーカー→顧客」となり、最低2日間の期間短縮にもつながった。 「物流会社への委託費用は開梱作業などの付加価値分を上乗せして支払っています。そのうえで当社の利益も確保でき、クライアントもコスト削減効果がある。さらにはエンドユーザーも満足度が得られる。ウィン・ウィンのビジネスモデルだと自負しています」 こうした修理品物流だけでなく、POS端末大手の東芝テックが04年8月から、新品のPOS端末搬送時の物流で「e-Starpack」を採用した。 現在、クライアントは10社。今後は物流全般が同社のターゲットとなる。
■ 東芝テック、流通情報システム機器のグリーンカスタマサービスを提供 日経プレスリリース 2004年9月6日(pdfファイル)
ITを活用した環境対応型物流システム
ISO14001を取得した企業・地方自治体等で地球環境保全のために可能な限り努力しさまざまな取り組みがなされてきたが、資源循環型社会の構築まで至っていないのが現状である。スターウェイ社は1999年、環境対策として梱包資材の廃棄量低減方策とコスト削減を実現する為に設立された。 環境対策及び廃棄物の削減意向を持つ企業・地方自治体等と環境パートナーシップを締結しその企業・地方自治体等に適した現実的で経済効果のあるあらたな環境対応型の物流システムを提供する。この独自開発による環境対応型物流システム(システム名「ESP−take1」)によりリアルタイムに明確なリサイクル情報、リユース情報、資材保管情報、リユースの期間情報を低コストで提供することを実現した。 また、環境対応梱包箱として、さまざまな形状の製品に対応可能な高耐久性梱包箱(商品名「イースターパック」商標登録済み)を開発した。静電対策され圧縮した古紙100%の板紙(北越製紙 製品名「パスコ」)とその中に特殊ウレタンフィルムを貼り付けた内枠により上下から挟み込んで緩衝材の機能を持たせた構造にしている。繰り返しの使用回数は100回以上と耐久性にすぐれた梱包箱である。また使用不可能なイースターパックは回収し北越製紙にてマテリアルリサイクルされ再度パスコに再生されイースターパックとして製品化される仕組みである。 既存の物流システムではワンウェイ方式の梱包形態が主流である。この方式では膨大な廃棄物が製品や部品を輸送のたびに発生する。また、緩衝材として利用されている発泡材、エアパッキン、バブルラップ等の廃棄物は自然環境を汚染したり、生態系に悪影響を与えており、その処理に苦慮しているのが現状である。スターウェイ社が開発した環境対応型物流システムESP−take1は従来のワンウェイ方式の物流システムとは全く異なり、リユース・リサイクルを目的とし製品の出荷から回収、再利用及び再資源化までを一元管理できるシステムである。インターネットを利用して運用状況を管理し環境対応梱包箱イースターパックとの組み合わせにより創造された効率の高いユーザーフレンドリーな環境対応型物流システムである。
■ システム画面サンプル (1) 在庫管理 製品(通い箱)単位に、新品・リユース品の在庫状況を表示する。この情報はCSVファイルに出力して、Excelなどで編集可能。
在庫管理画面
(2) 製品状況 製品(通い箱)単位に、リユース回数(率)、返却日数等の状況を表示する。この情報はCSVファイルに出力して、Excelなどで編集可能。
製品状況画面
環境対応型物流構築の実現 環境デリバリーパック(商標登録済み)
「環境デリバリーパック」とは環境対応梱包箱イースターパックと運送・梱包/開梱作業、資材管理・環境データ等すべてをパックにした環境対応型物流商品である。パートナーの物流企業(西武運輸、近鉄エキスプレス、日立物流、ジャパンブリッジ)の物流インフラを使いB to B、B to Cでの環境対応型物流を実現した。
導入事例1 採用企業実績としてプリンター大手のセイコーエプソンの関係会社であるエプソンサービス鰍ナは2003年2月からすべての修理サービス拠点(札幌、日野、松本、福岡、那覇の5修理センター、秋葉原、大阪日本橋2サービススポット)で環境デリバリーパックを導入した。導入前ワンウェイ梱包材使用時の作業時間は約10分掛かっていたが導入の作業時間は約数十秒に短縮された。また梱包資材コストは約55%削減、梱包資材量は3分1に削減できた。(2003年エプソン サステナビリティレポート掲載)
導入事例2 環境配慮型ロジスティックの実現を目指していたソニーイーエムシーエス鰍ヘ2003年3月よりイースターパックを瑞浪テックとソニー太陽との間において導入しCO2排出量削減74%、廃棄物排気量74%削減、コスト(作業・材料)74%削減、作業時間92%削減、輸送効率20%向上という実績を出すことができた。(ソニー2003年社会・環境報告書掲載)
導入事例3 カスタマーサービスの向上と地球環境保全に積極的に取り組んできたPOSターミナル(レジスター)大手東芝テック鰍ヘ百貨店、スーパー、コンビニエンスストア向けに2004年5月より導入を開始した。期待される環境への効果は全面導入した場合年間168tと試算している。
導入事例4 家電量販店のノジマは全店舗が受け付ける家電の修理品を対象に2003年10月から導入を開始し梱包資材量を年間200t削減でき、梱包資材を顧客が廃棄する手間を省き顧客満足度を上げている。今後は順次各メーカーに対し環境デリバリーパックの導入を促し環境保全のために力を入れていく方針を打ち出している。
環境デリバリーパック導入メリット ◆梱包材料費用を削減 イースターパックは、使い捨てのワンウェイの梱包箱に比べ、約100回以上リユース可能のため、一回当たりの梱包材料費を削減可能。また、緩衝材が不要。 ◆梱包廃棄費用削減 ワンウェイの梱包箱では、都度、梱包材の廃棄が必要となるが、イースターパックは、緩衝材が無く、更にリユースするので、廃棄費用を大幅に削減できる。 ◆管理工数削減 ワンウェイの梱包で必要な複数の梱包部品の管理が不要。 ◆資材スペース削減 ワンウェイの梱包材料と比較して、かさばる緩衝材が不要なので資材スペースを削減できる。イースターパックは、折畳み可能。
現在のワンウェイの梱包材、リターナブルな梱包材でも明確な資材の回収方法
明確なリユース・リサイクル情報などを提供することができれば、環境対応商品として単なる資材としてではなくコストダウンと環境効果を生み出すツールとして提案することができ、大きなビジネスチャンスが生まれる可能性が高い。
環境デリバリーパックサービス内容 <基本サービス> ・ 回収・配送伝票処理 ・
梱包作業 ・ 回収作業 ・ 運送費(保険料別途) ・ 梱包資材(イースターパック)の提供 ・ 資材管理・保管 ・
資材回収 ・ フローの構築 ・ クレーム対応(輸送に関わる) ・ 環境コンサルタント <付加サービス> ・
代引きサービス ・ ESP−take1システム情報提供(環境データ) ・ 時間帯指定(365日対応)
今回紹介するスターウェイ(株)は、流通業界に大きな旋風をおこし、急成長している注目の企業だ。 当社は、古紙を圧縮・再生した強度の高い板紙「パスコ」(北越製紙製造)のなかに運搬物を特殊ウレタンフイルムで上下から挟み込んで宙吊り状態に固定させる梱包材「イースターパック」ならびに梱包、発送、回収までの流れをWeb上で管理できるソフト「ESP−takel」を開発。これらを複合させた環境対応型物流システムソリューション「環境デリバリーパック」を販売している。同サービスは今までの包装概念を大きく覆し、企業にとって合理的かつ環境に配慮したシステムだ。 「イースターパック」は、@(何百回(用途による)も使用できる耐久性を備えているうえ、古くなったら再びリサイクルで再利用される A従来、運送に必要不可欠とされてきた緩衝材を一切必要としないうえ、梱包作業時間を大幅に短縮(緩衝材を使用しないうえ、(イースターパックは)回収式なので一切ゴミが発生しないなど数多くのメリットをもたらす。セイコーエプソンや家電量販店の修理部門など、すでに導入済みの企業では、大幅な効率化が実証されているほか、企業の環境問題にも対応、送られてきた修理品の包装ゴミが残らないのでエンドユーザーからの反響も大きく、導入企業のイメージ向上にもー役買っている。同システムは将来的に企業間のみならず、一般家庭間の荷物運送においても普及する可能性を秘めているほか、「イースターパック」本体の用途も多様な場面で求められるだろう。 「将来的には、世界的に当社のシステムを浸透させ、海外向けの包装ゴミだけでなく、海外から持ち込まれる包装ゴミも減らすことができれば嬉しい」と上場を視野に入れた竹本社長の取り組みは今後も勢いを増すだろう。 今、当社の事業で一番必要なのは、このシステムと効果をいかに広く認知してもらうかということ。「それさえクリアできれば」と竹本社長の挑戦は続く。 デフレ克服のポイント ■全く新しい形態での梱包環境保全・事業効率化を推進。実証された効果をもとに顧客から高い評価と信頼を得る。
独自流通オペで顧客の手間省略 CS向上 環境負荷軽減で脚光
デジタル機器・家電量販の雄、ノジマ(神奈川県相模原市、042・769・4659)は10月1日、修理品の輸送梱包材リユースを顧客の手を煩わせることなく実現する独自の物流オペレーションシステム「グリーンカスタマーサービス」を全店で稼働させた。専門の配送請負業者が修理済み製品を顧客に引き渡すと同時に不要となった輸送梱包材を引き取る仕組みで、修理やメンテナンスにかかる期間を最低2日間短縮することができる。輸送梱包材開発から物流システムソリューションまでを手掛けるスターウェイ(東京都港区、03・5408・1311)との提携により実現したもので、同社開発のフイルムディスペンション型梱包材「イースターパック」を利用する。当初は大手プリンターメーカー1社との取り組みだったが、今月17日には大手パソコンメーカー1社もこれに加わる予定で、今後、参加する家電メーカーを順次増やしていく考えだ。 ノジマ全店で修理品梱包に利用され始めた「イースターパック」は、再生紙100%素材の圧縮板紙でできた外装箱と上下2対の中粋が本体を形成しており、その中枠のブランク部分にEPS(発泡スチロール)などの緩衝材の代わりとなる特殊ウレタンフィルムがセットされている構造。この特殊ウレタンフィルムが上下から内容物を挟み込み、中空でこれを保持し、保護する仕組みとなっている。各パーツとも強度に優れており、100回以上のリユースにも耐えられる。最終的に使用不可能な状態となった場合でも、これを回収してマテリアルリサイクルし、再び「イースターパック」に戻せるものとなっており、高い環境負荷軽減効果が見込まれている。実際、ノジマとスターウェイの試算では、従来の仕組みに比べて梱包材使用量が年間約200トン以上削減できるほか、C02の発生も同約26トン以上抑制できるとの数字がはじき出されている。 「グリーンカスタマーサービス」は、顧客が従来、メンテナンスや修理の依頼と修理済み品の引き取りにかかっていた手間を極限的に省略化した画期的な物流オペレーションシステム。これまでの修理の流れは、@顧客が修理品を自ら梱包し、直接店舗に持ち込む--->A店舗からメーカーに修理品を送付--->B修理完了を受け、店舗から顧客にその旨を連絡--->C顧客が修理済み品を店舗に受け取りに行く----というものだったが、新たなオペレーションシステムでは、@顧客は修理品を梱包する必要はなく、裸のまま店舗に持ち込むだけ--->A店舗は受け取った修理品を「イースターパック」に短時間で梱包し、メーカーに送付--->Bメーカーは修理完了後、荷受時に使われた「イースターパック」に修理済み品を再び梱包し、顧客へ送付--->C専門の配送請負ドライバーが顧客に修理済み品を届け、「イースターパック」を開梱し、空き箱をそのまま回収して持ち帰る----ものとなっている。顧客がいちいち修理品を梱包したり、修理済み品を受け取りに店舗まで出向いたりしないことはもちろん、使用済みとなった梱包材を処分する手間もかからない。物流も「顧客--->店舗--->メーカー--->店舗--->顧客」から「顧客--->店舗--->メーカー--->顧客」へと減少しており、これが最低2日間の期間短縮につながった。 ノジマは今回の修理品輸送システム改善への取り組みを、社是の1項目(「社会に貢献する経営」)を果たすための一環と位置付けている。従来の方式のように梱包材が顧客の元でゴミとなれば、それが地域社会の経済負担となり、ひいてはそれが顧客自身の負担として跳ね返ってくるからだ。今回の取り組みには、地球環境の将来を憂慮した環境対策という要素と合わせ、そうした深い意味での顧客満足度(CS)向上という要素が含まれていることは確かだ。
お客様が参加できるリサイクル・システム構築 梱包箱の再利用や使用済みのプリンターカートリッジの店頭回収など、お客様のご協力が循環型社会構築の実現に貢献します。
●“カスタマーゼロエミッション”活動 当社では、お客様のお手元で発生する廃棄物を限りなくゼロに近づけるため、商品の配送システムや梱包容器に配慮した“カスタマーゼロエミッション’’活動を推進しています。 関係会社のエプソンサービス(株)では、2003年2月から、全ての修理サービス拠点(札幌・日野・松本・福岡・那覇の5修理センター、秋葉原・大阪日本橋の2サービススポット)で、環境対応型の梱包箱「e-Starpack」と配送をパックにした「環境デリバリーパック」サービスを開始しました。「e-Starpack」はスターウェイ(株)が開発したもので、古紙100%を圧縮した再生素材で作られており、静電対策を施され、耐久性・耐水性にも優れているため何度でも再使用することが可能です。「環境デリバリーパック」では、お客様のご依頼により修理を行ったプリンタの梱包箱として「e-Starpack」を使用。お客様にお届けした後、この梱包箱を「通い箱」として持ち帰り、再使用するシステムになっています。 この梱包箱は中に人れる商品を特殊フイルムで固定する方式のため、内部の緩衝材が不要となり、約10分かかっていた梱包作業時間は数十秒に短縮されました。また、梱包資材コストを従来比で約55%削減、梱包資材量は1/3に削減できました。 この他、当社では、大判出力プリンタPX−10000/MC−10000/PM−10000を対象に梱包箱のリユース(再使用)を行っています。商品納入時、あるいはお客様のこ希望によって納入後日に梱包箱を回収し、再使用します。この梱包箱はリサイクルを容易にするため、従来の複合素材から単一素材(段ボール材)に変更しています。 ●資源活用のためのサービス 当社では、使用済みプリンタカ−トリッジや法人系お客様の使用済み情報機器の回収・リサイクルといった取り組みの他にも、限りある資源の有効活用のため、お客様が使用後の小型二次電池(充電式電池)の回収・リサイクルや、パソコンの下取りサービス(P26)などを行っています。 当社の商品の中には、テジタルカメラ、ノートパソコン、ハンディーターミナルなど、小型二次電池を使川しているものがあります。当社では、「小型二次電池再資源化推進センター」に加盟して共同回収・リサイクルに取り組んでおり、法人系のお客様には商品回収時に電池の同梱を、個人のお客様には、充電式電池リサイクル協力店のリサイクルボックスへの投入をお願いしています。 以上のようなサービスのほか、Webや電話など、お客様への対応窓口を用意し、アフターサービスや修理への対応、あるいは各種アプリケーションの提供などを充実させています。お買い上げいただいた商品を十分に活用していただくことも大切な環境活動と考えています。
お客様に“ゴミ”をお届けしないために
環境デリバリーパック推進責任者 藤松秀樹 お客様から「修理品の梱包が過剰ではないか?」といったご意見をいただき、何とか梱包を簡素にし回収する方法はないかと解決方法を模索していた頃、(1)緩衝材を使わない、(2)繰返し使用可能、(3)100%再生紙、といった願ってもない環境対応型梱包箱の提案がありました。2001年度に大阪日本橋拠点での修理品お届けや、拠点間の通い箱に試験的に導入しました。2002年度には全拠点に本格導入し、「カスタマゼロエミッション活動」を展開しています。梱包作業時間短縮等でコストタウンもできましたが、何よりも「お客様にゴミをお届けしない」ことが最大のメリットです。お客様からのアンケートからも高い評価をいただいています。
東京都は、中小企業創造活動促進法に基づき、第96回として19件の研究開発等事業計画を認定した。認定企業とテーマは次のとおり。
スターウェイ(港区)=環境対応型物流システム・資材開発の事業化 (他は省略)
採用企業のコストは半減
環境問題への取り組みをビジネスと融合させようという理念のもと、99年に設立されたスターウェイの事業が軌道に乗ってきた。半導体メーカーに勤務していた竹本直文社長の経験を生かしたICトレーのリサイクルシステムの確立を皮切りに、パソコンなどに使うリサイクル対応梱包材「イースターパック」の開発や、環境対応物流システムの構築など、順次新しいビジネスを打ち出している。「(ICトレーのような)BツーBの事業から、BツーCについても全国で展開するようになってきた」(竹本社長)という。 中でもイースターパックはセイコーエプソングループがプリンターやパソコンなどの配送に採用したことで注目を集めている。古紙を100%用いて圧縮形成し、プラスチック並みの強度、耐水性を持ち、折り曲げ加工もできる素材を開発した北越製紙と、共同開発した。箱の内側に弾性のある特殊フィルムを張ったフレーム(やはり古紙製)を上下から差し込む。フィルムで製品をはさみ中空で浮かんだ形にして固定する。フイルムは静電対策してあるほか、穴が開いても裂けない。 廃棄処理に頭を悩ませていた緩衝材がまったく不要となったのが大きな特徴。緩衝材を丁寧にはめ込んでいく作業もなくなり、梱包に要する時間も大幅に短縮でき、配送後は製品を取り出して、梱包材を折り畳んで回収する。100回程度のリユースが可能で、最終段階でリサイクルする。 エプソンによると梱包材コストは半減以下となったという。さらに国内大手電機メーカーのほか、耐水性もあることから食品業界からの引き合いも増えている。このほどりそな中小企業振興財団・日刊工業新聞社共催の中小企業優秀新技術・新製品賞の優良賞を受けるなど、外部からの評価も高まっている。 パソコンについては海外からの修理品を国内に回収して、メンテ後発送するといったケースも今後増えそう。また、今後は出荷一回収−再使用−再資源化といったサイクルを、バーコードシステムによってインターネット上で一元管理する物流システムの普及にも力を入れる。「ものを使わせない発想と仕組みづくり」(同)が環境対策の近道、との考え方だ。
4R時代の輸送包装提案で先駆け
スターウェイ(東京都港区、03・5408・1311)が開発したフィルムサスペンションタイプの緩衝包装古紙ケース「e−Starpack」の普及に拍車がかかってきた。プリンターやスキャナーなどの修理品輸送梱包用通い箱として同ケースをいち早く採用したエプソンサービス(長野県松本市)がカスタマーゼロエミッション〃を掲げ、全拠点で同ケースを導入したほか、パソコンメーカーのプロサイド(千葉市美浜区)も製品出荷用の通い箱として採用するなど、着実に需要のすそ野を拡大しつつある。 こうした状況を踏まえ同社は「輸送包装に求められる環境対応はすでに3R(リデュース・リユース・リサイクル)から4番目のR、リフューズ(使用済み包材の受け入れ拒否)の段階に移行しつつある。」(代表取締役社長・竹本直文氏)としており、「『e−Starpack』と独自の循環物流管理システムを組み合わせることで4Rソリューションを提案し、これまでにないグリーン・サードパーティー・ロジスティクス〃企業を目指す」(同)考えだ。 同社は1999年に設立された独立系環境ベンチャー企業で、現在、「e−Starpack」の展開とともに、包材リサイクルあるいはリユースの効率的な運用を実現する環境対応型循環物流システム「ESP−takel」の普及に注力している。「e−Starpack」は、北越製紙が開発した100%古紙圧縮の積層構造板紙「パスコ」を活用し、内部に設けた仕切りの中央ブランク部分に伸縮性の高い特殊ウレタンフィルムを貼り付けて緩衝包装ケースの形にしたもの。フィルムが上下から内容物を挟み込む格好で中に浮かせ、サスペンションのような機能を果たすことで内容物保護を図り、緩衝材不要の輸送包装形態を実現した。 ケース素材の「パスコ」は優れた耐久性を誇っており、導入コストは段ボールより高いものの、100回程度のリユースに耐えられ、通い箱として繰り返し活用することでコストを従来の半分以下に抑制することもできるという。実際、エプソンサービスの報告によれば、そのコスト削減効果は約55%にも達し、使用包装材量も従来の3分の1にまで圧縮されたとしている。また、一回当たりの梱包作業も緩衝材セットなどが省略されるため、1梱包当たりの作業時間は大幅に短縮され、トータルでのコスト削減効果はさらに膨らむ可能性が高い。4月には、りそな中小企業振興財団と日刊工業新聞が共催する「第15回中小企業優秀新技術・新製品賞」も受賞しており、広くその存在が知れ渡るところとなっている。 エンドユーザー(消費者)に渡った「e−Starpack」は、スターウェイが開発した循環物流管理システム「ESP−take1」と提携先運送業者のネットワークを活用し、回収するため、エンドユーザーのもとには使用済み梱包材は残らない。エンドユーザーの評判も非常に高く、こうした動きを受けて大手AV機器メーカーと同社との間でも独自の仕組み作りを始めている。発送・回収が専用物流となるため、混載物流においてさらなる故障が発生するリスクもほとんどない。プリンターの輸送では、インク漏れによるクレームが寄せられるケースも少なくなかったとされるが、同社のシステムではそうした事故はこれまでに起こっていないという。もっとも、万が一クレームが寄せられた場合にも迅速な原因究明態勢が採られており、エンドユーザーに1時間以内に情報が入る仕組みで、顧客満足度の向上も見込めるものとなっている。 同社のシステムは今のところ電気製品分野での採用に限定されているが、今後は、流通上の安全性確保が問題となっている食品分野での普及にも力を注ぐ。 この輸送包装システム成立のカギを握る循環物流管理システム「ESP−take1」は製品の流れをデータベース化して管理することにより、生産から出荷、消費、リユース、リサイクルまでの循環型物流の流れがインターネットを通じ、一元管理できるもの。包材リサイクルあるいはリユースに伴う、煩雑なデータ管理が簡易化でき、これに取り組もうとする企業で採用を拡大してきた。 同システムの守備範囲は、顧客(注文、状況確認)、システム運用会社(製造指示、出庫指示、マテリアル化指示、状況確認)、製造メーカー(製造、管理、出庫)、メンテナンス会社(検査、管理、出庫)で、データベースは毎日更新される仕組みだ。同システムは、インターネットを使ったメインシステムとPC上でのサブシステムとバーコードで構成される。メインシステムはデータベースの管理を行い、サブシステムは注文入力及び製品状況の確認、製品の着荷・入庫・検査結果の処理、ハンディーターミナルで読み取ったバーコードの処理などを行う。 同システムは、@インターネットに接続可能な環境であれば即時導入可能A生産からマテリアル化・最終処理までの一貫管理を実現B取扱製品に合わせた単位で管理できるC製品運用データの参照が容易−−などの特徴を持つ。 Bについては、在庫数量のみで管理する数量管理、ロットごとにロット番号のついたバーコードラベルを貼付してロットごとに管理するロット管理、製品ごとにシリアル番号のついたバーコードラベルを貼付して一つ一つ管理する個体管理、パレット上に載せてパレット番号をつけ、パレット単位で管理するパレット管理の中から、取扱製品に適した管理手法が選択できるものとなっている。 Cについては、素材の重量、リユース率、出荷から回収までの期間(個別管理製品のみ)、最終処理情報(マテリアルリサイクル/処理日・量)などのデータが得られ、容器包装リサイクル法の帳簿記入も簡単に行えるなど多くのメリットがある。
「第15回中小企業優秀新技術・新製品賞」は審査委員会(吉川弘之委員長)で審査した結果、スターウェイ鰍フ「イースターパック」が優良賞として表彰されました。
耐久性高く運送時の振動防止
物流業務も実施 パソコンやプリンターといった電子製品をはじめ、精密な基板や部品などを納入したり、修理に出す時には、通常、発泡スチロールを緩衝材にして、段ボール箱に梱包し運送する。だが、段ボール箱は数回使用すると破損してごみになってしまううえ、発泡スチロールも焼却(加熱・溶融)すると、二酸化炭素に加えて有害物質のダイオキシンの発生が懸念されるなど、廃棄に伴う問題がつきまとう。 スターウェイは、こうした電子製品や部品などを搬送する新しいタイプの梱包箱「e−スターパック」を開発、物流業務も一括して引き受けることで、リユース(再使用)・リサイクル (再資源化)市場を開拓している。 新しいタイプの梱包箱といっても、形状は従来の段ボール箱と同じである。では、どこが新しいのか。竹本直文社長が説明する。 「e−スターパックは、古紙を圧縮成形してつくられた積層構造の板紙でできているので、百回の使用にも耐えられる。これに伸縮率が七〇〇%もある特殊なフィルムを組み合わせることにより、発泡スチロールなしで、中に入れたものを固定できる」 同パックに使用しているのは、北越製紙が開発・生産している「パスコ」と呼ばれる板紙で、古紙を一〇〇%使ったリサイクル品。その強さを生かし、すでに椅子(いす)や災害現場で人を乗せて救助するレスキューボードなどが製品化されている。 竹本社長は、このパスコを梱包箱に応用することを北越製紙に提案するとともに、ドイツ製のウレタンフィルムを探し出し、e−スターパックを開発した。同パックは板紙でできた箱の中に、運ぶものを上下からフィルムで挟み、宙に浮いたような状態で運搬することで、運送時の振動の影響を受けない仕組みだ。 当初の導入コストは従来の段ボール箱より高いが、百回もの使用に耐えられることから、納品や修理などに「通い箱」として繰り返し利用すれば、「全体としてのコストは半分以下になる」 (竹本社長)。 しかも、「フィルムを押さえるだけで、箱に入れるものを固定できるので、梱包時間も数十秒で済む」(同)という。 前職経験生かす スターウェイは西武運輸、近鉄エクスプレスなどの運送業者と提携するとともに、e−スターパックにバーコードを付けて、コンピューターで物流を管理するシステムをユーザーに提供している。これによって、「これまでにないグリーン・サードパーティー・ロジスティック企業(環境配慮型の独立系物流企業)を目指したい」と竹本社長は力を込める。 竹本氏は十年以上にわたって半導体のセールスに従事。半導体を工場などに運ぶICトレーが使い捨てにされていることから、通い箱の必要性を痛感し、スターウェイを創業した。大手の協力を得ながら、堅実に自社の技術、ノウハウを事業化しようというところに、半導体という先端の分野で営業経験を積んだ竹本氏の発想が生かされているようだ。
■ 地球環境平和財団 official web
site掲載 2002年12月から
■ 地球環境平和財団(感謝状授与) 2002年11月
■ 早稲田大学寄付特別講座(講師) 2002年11月12日
■ 地球環境平和財団(地球の森プロジェクト参加) 2002年11月4日
■ 半導体産業新聞基調講演 2002年9月5日
■ BSジャパン ルック@マーケット 出演 2002年7月17日
■ 新規事業のススメ モノづくりからソリューションビジネスへ NEXTING(三菱総研会員誌)2002年7月号
■ ビジネス会計人クラブ(ビジネスモデル発表) 2002年6月20日
■ 再利用紙製パレットで提携 日刊工業新聞
2002年6月18日
■ NEW環境展出展(ビッグサイト) 2002年5月28日から31日
■ 資源の有効利用とビジネスの融合を目指す 半導体産業新聞
2002年5月22日
■ 修理サービス梱包材をe-Starpackに切り替え「エプソンサービス」 カーゴニュース 2002年4月9日 |